風力発電設備事業Wind Power equipment

最大作業高さ150m、
最大吊上げ荷重140tの能力を有する
日本初の「風車専用タワークレーン」を導入

タワークレーンを用いた大型風車の施工
タワークレーンを用いた大型風車の施工

近年、風車は発電量の増強を図るため、ハブの位置をより高く、ローター(ブレードの回転円)面積を大きくする傾向にあると同時に、建設時における環境への配慮が求められています。

当社では、風車の大型化と狭小地での風車の建設に対応するため、海外で採用されている建設手法を調査・研究し、風車専用のタワークレーンを開発。東光電気工事株式会社と共に株式会社TAリフトを設立し、2020年、風車用タワークレーンを用いた国内初の大型風車の施工に成功しました。

最大吊上げ荷重140tの能力を有することから、部材をユニット化して荷揚げでき、高所での部材組立作業を削減することで安全性を向上。また、従来の移動式クレーンと比べ、作業半径が半分以下となることから、環境への影響を最小限に留めることができました。

今後も大型化する風車の建設に対応すると共に、安全性の確保、環境への配慮を徹底し、再生可能エネルギーの普及に貢献してまいります。

狭路に対応した風車専用の
特殊機材(起立台車)を用いたブレード輸送

当社所有のゴールドフォーファー社製多軸台車(SLE)に装着したブレード専用輸送装置(FTV-500)
当社所有のゴールドフォーファー社製多軸台車(SLE)に装着したブレード専用輸送装置(FTV-500)

風車の部材は、幅員が狭い急勾配の山道を何キロも進み、山頂の建設地へと運搬する必要があります。とりわけ、長さ数十メートルにも及ぶブレード(風車の羽)を運搬する際、支障となる山道沿いの木々の伐採や電柱の移設、道路の拡幅など、様々な対応が必要となります。

支障物の撤去や道路の拡幅には木々の伐採が伴うなど環境への影響が大きいため、可能な限りこれらの開発行為を少なくすべく、当社ではブレードを起立させて運搬する特殊機材を導入し、環境に配慮した運搬を行っています。

ブレードの補修・点検を行う当社社員
ブレードの補修・点検を行う当社社員

主要部材交換、日常点検業務まで、
エンジニアリングサービスのプロバイダー
として風車の長期安定運用を実現

当社では既設風車のメンテナンスサービスを行っています。ギアボックス(増速機)、ブレード、メインべアリング、メインシャフト、発電機などの大型主要部材の交換工事を年間数十件実施しています。

ギアボックスやメインべアリングの内視鏡検査、ブレードの補修・点検業務、資機材の調達にも対応し、これらの業務を事前に行うことで故障を未然に防ぎ、長期に渡る風車の安定運用に貢献しています。

風車内部でメンテナンスを行う当社社員
風車内部でメンテナンスを行う当社社員

風車メーカー各社との業務提携により、
技術力に優れタイムリーなメンテナンスを実現

メンテナンスサービスの技術面において、ドイツの風車ISPと業務提携を行い、先進的な風車の技術サポートを受けております。

ブレードにおいては、中国のブレード製造メーカーと業務提携を行い、製造メーカーの公式トレーニングを受講し、ライセンスを持ったエンジニアがサービスをご提供いたします。

また、当社は中国のギアボックスメーカーである、NGC(南京高速歯車製造有限公司)と正式な国内販売代理店契約を結んでおり、様々なメーカーのギアボックスの修理・オーバーホール、ギアボックスの在庫保管、CMSのサービスの提供などにより、長期的なダウンタイムを未然に防ぐことができるよう、事業者様のサポートを行っています。

当社がEPC事業者として佐賀県内で建設した風車
当社がEPC事業者として佐賀県内で建設した風車

開発、調達、輸送、据え付け、O&Mまで
風車の全てを知り一貫した工事ができる
EPCとして、再エネ普及に貢献

2018年2月に完工した佐賀県内の風車は当社として初めての開発案件です。

現地の農山漁村活性化協議会が策定した「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進による農山漁村の活性化に関する基本計画」に基づき、佐賀県内の農地に約2MWの風力発電設備1基を建設しました。

開発、設計、調達、輸送、据え付け、O&Mまで、当社はEPC事業者として、一貫した風力発電事業の開発が可能です。

※設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)の頭文字を取ったもので、これらを一貫して行う事業や契約のこと。

当社が取得し、新規事業開発中の風車(手前から4基)
当社が取得し、新規事業開発中の風車(手前から4基)

再エネを維持・発展させるため、
風車をリプレースする新規事業開発を推進

2000年代初頭より各地で建設された風車の多くが老朽化し、更新時期を迎えるようになりました。しかし、事業採算性や大型化する風車の導入が難しく、更新を断念し再エネ事業から撤退される事業者様が少なからずおられます。当社は、一貫した風力発電事業の開発(EPC)が可能であることを強みとし、コストを抑えることで事業採算性を見出し、再エネを維持・発展させる取り組みを進めています。

稼働開始から20年を迎える風車を当社が譲り受け、固定買取制度におけるリプレースの認定を取得し、風車を更新するという新規事業開発を進めています(2020年度より新潟県にて)。